top of page
オンライン予約
プライバシーに配慮しつつも、明るく清潔な雰囲気の内科・泌尿器科もりもとクリニックの待合室

          当院について        

内科・泌尿器科もりもとクリニックのクジラのロゴマーク

Features

精巣がん

精巣がん|喜連瓜破駅徒歩1分、大阪市平野区の内科・泌尿器科もりもとクリニック

「お風呂に入っているときに、陰嚢の中に硬いしこりがあることに気づいた」「最近、左右の精巣のの大きさが違う、あるいは片方だけ大きくなってきた気がする」、これらは精巣がん(精巣腫瘍)の重要なサインかもしれません。

精巣がんは、精子を作る働きや男性ホルモンを分泌する役割を担う「精巣(睾丸)」から発生する悪性腫瘍です。最大の特徴は、初期段階では痛みを伴わないため放置されがちである点、そして20代~30代の若年男性から40代の壮年男性に最も多く発生する固形がん(血液のがん以外のがん)である点にあります。進行のスピードが非常に速い一方で、早期に発見すれば手術だけで十分に根治が可能です。また、リンパ節や肺などに転移が見つかった段階であっても抗がん剤治療(化学療法)が極めてよく効く性質があるため、粘り強く適切な治療を行うことで、完治(根治)が期待できるという特徴もあります。
 

大阪市平野区(喜連瓜破駅徒歩1分)の内科・泌尿器科もりもとクリニックでは、日本泌尿器科学会専門医である院長が、丁寧な問診・触診と陰嚢超音波検査による迅速な初期評価を行い、専門病院と治療連携を行います。また、治療を終えられた後の「長期的な定期観察(フォローアップ)」まで、一貫して患者さんに寄り添った診療を行っています。場所が場所であるため、「恥ずかしい」「受診しづらい」と受診をためらってしまう方も少なくありませんが、そのわずかなためらいが治療の難易度を大きく左右します。気になる症状がある方は、恥ずかしがらずに早めに当院へご相談ください。

内科・泌尿器科もりもとクリニックのクジラのロゴマーク

精巣がんとは?

精巣(睾丸)は、陰嚢の中に左右に1つずつ収まっている男性特有の生殖器です。主に「精子を作る(造精機能)」働きと、「男性ホルモン(テストステロン)を分泌する」働きを担っています。

この精巣から発生する悪性腫瘍を「精巣がん(精巣腫瘍)」と呼びます。全男性のがんの約1%程度、人口10万人あたり年間1.3~2.5人程度が罹患する比較的まれながんですが、最大の特徴は発症年齢の若さにあります。20代~30代の若年男性、および40代の男性においては、固形がん(血液のがん以外のがん)の中で最も頻度が高い悪性腫瘍であることが知られています。

精巣がんのタイプ分類

セミノーマの特徴を示した図
非セミノーマの特徴を示した図

精巣がんは、その組織学的な特徴(顕微鏡での見え方)によって、セミノーマ(精上皮腫)と非セミノーマの2つのタイプに大別され、治療に対する反応性が異なります。どちらのタイプであっても進行スピードが速いため、迅速かつ的確な診断と治療開始が重要です。

  • セミノーマ(精上皮腫)
    精巣がんの約半数を占めます。抗がん剤治療や放射線治療に対する感受性が高く、比較的予後が良好である(完治しやすい)とされています。

  • 非セミノーマ
    胎児性がん、卵黄嚢腫瘍、絨毛性腫瘍、奇形腫などが含まれます。セミノーマに比べて比較的進行が早く、早期からリンパ節や他臓器への転移を起こしやすい特徴があります。ただし、進行が速い一方で、抗がん剤治療が非常によく効くため、転移があっても根治を目指すことができます。

内科・泌尿器科もりもとクリニックのクジラのロゴマーク

精巣がんの症状は?

精巣がんの代表的な症状は、痛みのない精巣のしこりや腫れ、陰嚢の違和感です。少しでも心当たりがある方は、早めにご受診ください。

精巣がんの初期症状のイラスト
精巣がんの進行症状のイラスト

無痛性のしこり・腫れのサイン

  • 片方の精巣が痛むことなく、徐々に大きくなってきた

  • 精巣に石のような硬いしこり(触れるとゴツゴツしている)を触れる

  • お風呂や着替えの際、左右の精巣の大きさや硬さに明らかな差を感じる

  • パートナーから精巣の異常を指摘された

  • 陰嚢の中に、ずしりとした特有の重み(下垂感)を感じる

精巣がんは進行が非常に速く、お腹の奥のリンパ節(後腹膜リンパ節)や肺、脳、骨などに転移しやすい性質を持っています。精巣のしこり自体が痛まないため、転移による症状が先に現れて精巣がんが発覚することも稀ではありません。

  • お腹の張り、頑固な腰痛、お腹のしこり、足のむくみ(後腹膜リンパ節への転移による症状)

  • 長引く咳、痰、息切れ、胸の痛み、呼吸の苦しさ(肺への転移による症状)

  • 首の根本あたりのしこり・腫れ(頚部リンパ節への転移による症状)

  • ふらつき、頭痛、手足の麻痺(脳への転移による症状)

  • 乳首(乳頭)が大きくなる、擦れると痛む(女性化乳房:がん細胞が産生するホルモンであるhCGの影響)

症状がなくても注意が必要です

正常な精巣は、長さが約2.5~3.5cm程度の楕円形(くるみ大)をしています。精巣がんは、初期段階では全く痛みを伴いません。そのため、「痛くないし、ただぶつけただけだろう」「そのうち元に戻るだろう」と自己判断し、受診を先延ばしにしてしまう方が非常に多いのが現状です。しかし、精巣がんは自然に消えることはなく、放置している間に数週間単位で転移が進行してしまいます。「痛まないしこり」や「左右のバランスの崩れ」こそが、最も迅速な受診を要するサインです。恥ずかしがらずに、早めに当院へご相談ください。

内科・泌尿器科もりもとクリニックのクジラのロゴマーク

精巣がんの危険因子は?

精巣がんの発症原因は完全には解明されていませんが、遺伝的要因や環境要因が関与しているとされており、いくつかの確立されたリスク因子が知られています。これらの既往や特徴がある方は、日頃から自己触診(セルフチェック)を行うことが、早期発見において極めて重要です。

精巣がんのリスク因子(図解)

精巣がんの4大リスク要因1
精巣がんの4大リスク要因2

各リスク要因の詳しい解説

  • 停留精巣の既往  
    胎児期に精巣が陰嚢内に正しく降りてこず、お腹の中や太ももの付け根(鼠径部)にとどまってしまう先天的な状態です。小児期に手術(精巣固定術)を受けたかどうかにかかわらず、停留精巣の既往がある方は、一般男性に比べて精巣がんの発生リスクが約2.9~4倍高いとされています。

  • 片側の精巣がんの既往  
    すでに片方の精巣がんにかかったことがある方は、もう片方の健康な精巣にもがんが発生するリスクが、一般男性の約17.6倍に高まります。

  • 家族歴  
    家族(特に父親や兄弟)に精巣がんの患者さんがいる場合、一般男性より発症リスクが高くなります。父親が精巣がんの場合は約4倍、兄弟が精巣がんの場合は約8倍のリスクがあり、遺伝的要因や共通する環境因子が関与していると考えられています。

  • 男性不妊症・精液異常  
    男性不妊症と診断された方や、精液検査で精子数が著しく少ない(乏精子症)、または精子が見つからない(無精子症)などの造精機能障害を指摘された方は、精巣がんを発症する確率が高くなります。

内科・泌尿器科もりもとクリニックのクジラのロゴマーク

精巣がんの検査・診断は?

精巣がんの診断は、問診や丁寧な身体診察から開始し、陰嚢超音波検査、血液検査(特異的腫瘍マーカー測定)、および全身の画像検査(造影CTなど)を組み合わせることで確定させます。当院では、プライバシーが守られた診察室で、患者さんの不安を最小限に抑えながら検査を進めますのでご安心ください。

精巣がんの診断ステップ(図解)

​1. 問診

精巣の腫れやしこりにいつ気づいたか、停留精巣の手術歴があるか、不妊治療の経験があるかなどをお伺いします。

2. 視診・触診

触診により、精巣そのものが石のように硬く腫れているか、手に乗せたときに「ずしりとした特有の重み(下垂感)」があるかを慎重に確認します。また、陰嚢が腫れる良性疾患(陰嚢内に水が溜まる「陰嚢水腫」、細菌感染で急激に痛む「急性精巣上体炎」、精巣の静脈が瘤のように膨れて不妊の原因にもなる「精索静脈瘤」など)と正確に鑑別することが重要です。

3. 陰嚢超音波(エコー)検査

陰嚢にゼリーを塗り、超音波をあてて精巣の内部を調べる検査です。痛みがなく、被ばくもない、安全な検査です。がんがある場合、精巣の内部が不均一に描出されたり、血流が豊富な腫瘤が確認されることが多く、この時点で初期診断が可能です。

4. 血液検査(腫瘍マーカー)

精巣がんは、がん細胞が血液中に特定のタンパク質や酵素を放出するため、腫瘍マーカーが診断、病期(ステージ)決定、予後予測、および治療効果の判定に有用です。以下の3項目を測定します。

  • AFP(アルファ胎児性蛋白)
    非セミノーマ(卵黄嚢腫瘍や胎児性癌)で上昇し、セミノーマでは上昇しません。

  • hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)
    非セミノーマ(絨毛がんなど)の40~60%、セミノーマの一部で上昇します。

  • LDH(乳酸脱水素酵素)
    精巣がんに対する特異性は低いものの、がんの全体的な量や進行度を反映し、予後の予測や治療効果の指標になります。

血液検査だけで100%がんを確定・否定することはできないため、超音波検査などの画像診断と組み合わせて総合的に判断します。

5. 造影CTによる画像検査

精巣がんは転移のスピードが非常に早いため、超音波検査などでがんが疑われた場合には、連携する高度医療機関にて、胸部・腹部・骨盤部造影CTを手配します。これにより、後腹膜リンパ節や肺、肝臓への転移の有無などを評価し、病期・ステージを詳細に調べます。

内科・泌尿器科もりもとクリニックのクジラのロゴマーク

​精巣がんの治療は?

精巣がんの治療方針は、最新のガイドラインに基づき、がんの種類(セミノーマか非セミノーマか)と進行度(ステージ)を組み合わせて決定します。
まずは手術でがんのある精巣を摘出し、その後、進行度や再発リスクに応じて「経過観察」「抗がん剤治療(化学療法)」「手術」などを適切に組み合わせた治療(集学的治療)を専門病院と連携して行います。

精巣がんの治療(図解)

精巣がんのステージ別治療戦略1
精巣がんのステージ別治療戦略2

①高位精巣摘除術(治療のファーストステップ)

精巣がんと診断された場合、見つかった時点で転移があったとしてもがんのある側の精巣を手術で速やかに摘出すること(高位精巣摘除術)がすべての治療の第一歩となります。

陰嚢を直接切開するのではなく、足の付け根(鼠径部)を数センチ切開し、精巣とお腹へと続く血管や精管の束(精索)ごと、高い位置で一括して摘出します。これは、陰嚢を切開するとがん細胞が周囲のリンパ流に乗って広がるリスクを防ぐための標準的な術式です。

②病理診断と病期(ステージ)に応じた治療方針

摘出した精巣を顕微鏡で調べる「病理検査」によって、がんの正確な種類(セミノーマか非セミノーマか)や再発リスクを評価し、術後の治療方針を決定します。

  1. Stage I(がんが精巣内にとどまり、転移がない場合)
    手術でがん細胞は体から取り除かれるため、基本的にはこの時点で根治となります。ただし、検査では見えない微小ながん細胞が残っている可能性があり、一定の確率で再発することがあります。
    ①セミノーマ(Stage I)の場合
    ・無治療の厳重経過観察(サーベイランス)
     追加の治療を行わず、定期的な採血(腫瘍マーカー)と画像検査で厳重に見守ります。万が一再発しても、その段階で適切な治療を行えば完治が可能です。
    ・予防的抗がん剤治療(カルボプラチン単剤)
     再発リスクを下げる目的で、カルボプラチンという抗がん剤を1〜2回点滴する選択肢もあります。
    ※かつて行われていた術後の再発予防目的の放射線治療は、将来的な副作用リスクを考慮し、現在は原則推奨されていません。
    ②非セミノーマ(Stage I)の場合
     顕微鏡検査で、血管やリンパ管の中にがん細胞が入り込んでいるか(再発リスク)を慎重に評価します。再発リスクが低い場合には、追加の予防治療は行わず、「厳重経過観察」を選択します。再発リスクが高い場合には、先手を打って再発率を極めて低く抑えるため、予防的に「BEP療法(抗がん剤治療)」を1回(1コース)のみ行います。

  2. Stage II〜III(お腹のリンパ節や肺などに転移がある場合)
    手術後、できるだけ早期に全身の抗がん剤治療(化学療法)を開始します。精巣がんは固形がんの中でも最も抗がん剤がよく効き、転移があっても完治が十分に期待できるがんです。
    ①導入化学療法(抗がん剤治療)
     シスプラチンを中心とした抗がん剤治療(BEP療法など)を3〜4回(3〜4コース)行います。なお、セミノーマで転移が軽度な場合に限り、お腹への放射線治療が選択されることもあります。
    ②抗がん剤治療後の「残存腫瘍(しこり)」への対応
    ​ 抗がん剤治療後に腫瘍マーカーが正常に戻った後も、CT検査でお腹の奥などにしこりが残る場合があります。このあとの対応は、がんのタイプによって異なります。セミノーマの場合は、治療後に残るしこりは壊死した組織であることが多く、画像検査(PET/CT検査など)で異常がなければ、手術を行わずに「厳重な経過観察」を続けるのが標準的です。一方、非セミノーマの場合は、治療後に残るしこりにはがん細胞が含まれている可能性があるため、手術(後腹膜リンパ節郭清など)で完全に摘出することが重要になります。

③妊孕性(にんようせい:妊娠させる能力)の温存

​ 若い患者さんが多いため、将来子どもを授かるための妊孕性温存は、治療を開始するうえで重要な検討事項です。片方の精巣を摘出しても、残ったもう片方の精巣が正常であれば性機能や生殖能力は保たれますが、その後の抗がん剤治療や広範な手術によって一時的または永久的に造精機能が低下することがあります。そのため、将来お子様を望まれる方には、精巣摘除の手術前、または抗がん剤治療を始める前に精子を採取し、専門の医療機関に凍結保存(精子凍結保存)することが推奨されます。

内科・泌尿器科もりもとクリニックのクジラのロゴマーク

精巣がんについてのよくあるご質問

森本和也(日本泌尿器科学会専門医)

執筆者:森本 和也(日本泌尿器科学会 専門医)

日本泌尿器科学会専門医として、長年にわたり精巣がん診療に携わってきました。当院では、診察や超音波検査による初期評価から、専門病院と連携した精密検査・治療選択のサポートにわたって、患者さんが安心して診療を受けられるよう丁寧に対応いたします。気になる症状がある方は、どんな些細なことでもご相談ください。

監修・執筆について

本ページは、森本 和也 医師(日本泌尿器科学会 専門医/日本透析医学会 専門医)により執筆・監修されています。内容は最新の「精巣癌診療ガイドライン2024年版」に基づいて構成されており、信頼できる医療情報の提供を心がけています。

bottom of page